最近、引越しをした。
きっかけは住んでいたマンションでの音によるストレスの限界である。
だが、実際に引っ越してみると何のことはない、頑丈だと聞いていたマンションだったが、こちらの方が余程音が気になってしまう事に気付いてしまい、愕然としてしまった。
考えてみれば以前のマンションは角部屋だったし、部屋数が少なかった。
だから気付かなかったのだが、今の部屋は隣と隣に挟まれていて、尚かつ部屋数が多い。
下からはさすがにあまり聞こえて来ないが、上、斜め上、左右からと常に音に晒される。(そして、部屋の空気が循環しにくく湿気が篭りやすい)
しかも、部屋数が多いから、朝はあちこちから窓の開け閉めは聞こえるし、掃除機をかける音は仕方ないにしても、それ以外の音さえも結構聞こえてくることへの衝撃。。というか、部屋の備え付けの食器棚の開け閉めをするだけで音が聞こえているとは???
食器や鍋をコンと置くこと、レンジや冷蔵庫の開け閉め音も少しでも力を入れてしまうと聞こえているようだし、これじゃ料理も怖くて迂闊に出来やしない・・・一番大きいのは玄関の音で、結構な衝撃音だ。あとはお風呂場の蛇口だが、蛇口も力の入れ方を間違えるとゴゴン!と気持ちの良い位の音が響いてくる。
これがSRCと呼ばれる、壁もコンクリのマンションの現状なのか?と思えてくる。
そして、以前の部屋の方がむしろまだマシだったのかもしれないとさえ思うようになった。少なくとも前のマンションは、上の住人の騒音や嫌がらせまがいのような行為はあったものの、隣と上の音さえ我慢すれば済んでいたのだ。(とはいえ、話し声が結構聞こえてしまう事はストレスだったが・・・正直今の部屋も声の聞こえ具合も大して変わらないように思える)
ただ、以前のマンションは住人同士の交流が全くなく、上の住人に対する不信感が募りすぎて憎悪の感情を抱く程になってしまい、かえって相当な自己嫌悪に陥ってしまった事もあったので、引越しを決意した。
前回の失敗に懲りて、今回は近所付き合いのそれなりにありそうなマンションを選び、上下左右にきっちり挨拶をした。その際お隣のご夫妻にこのマンションは静かなのが気にいって選んだのよ、音?まーったく気にならないから大丈夫よ、と親切に仰って下さり、ほっとしていたのだけれど・・・。正直、全然聞こえてますやん・・・としか思えない毎日です。
それはそれとして前回の部屋はPCのタイプ音が隣と何故か上!に聞こえていたようだったので、本当にきつかったが、今の部屋はさすがに聞こえていない(多分・・・)ようなので、それだけは心底ほっとしている(マジで聞こえないでいてくれ・・・じゃないと在宅も出来ない・・・)
そしてつくづく感じていること。
集合住宅ってやつは、これがスタンダードなんでしょうか??という事。
確かに私は人よりも過敏な所がある(特性上気が散りやすく、人と長時間一緒にいるのが苦痛)し、1人静かな場所にいる事を好む傾向があるから、それもあるかもしれない。
そして長らく戸建で暮らしてきたせいもあるだろう。
しかしそれを抜きにしても、料理するにも掃除や片付けするにしても、オーディオ鳴らすにしてもこんなに気を使うっていうのは、そもそもが安心して暮らすはずの住まい、という所から、何か根本的に違っているのではないか?と思えてならない。
そして一軒家、戸建を選ぶ人の気持ちが今、本当によく分かるのだ。
別に大声で叫んだり暴れまわりたい訳じゃない。
ただ、普通に電話で話したり音楽を聴いたりしたい。普通にミシンがけしたい、普通に料理したり家事を気兼ねなくやりたい。気兼ねなく風呂に入りトイレに行きたい。ただ、それだけなのだが・・・
集合住宅とは音は多少なりとも聞こえるものだ、と言われたらそれまでなのだが、自分の音が聞こえてしまっていると分かると、私の場合はもう駄目なのだ。そして、それが過敏すぎる、気にしすぎだと言われたらやはりそれまでなのだが、私が驚くのは、多くの人がこの環境下を受け入れて生活しているという事だ。
もっと予算を上げて防音性の高いマンション等に住む選択肢もあるにはあるが、限られた予算の中ではこれで我慢するしかない事を考えると、集合住宅が通常レベルでこういうものだとするならば、私はもうこれから二度と集合住宅を選ぶことはないだろう。
勿論、世界にはもっとこんなもんじゃないような生活環境、住まいさえない人も大勢いる、特に今のコロナ禍の中では尚更である。それに比べたら私は余程恵まれているだろう。
ただ、私のような他人が壁を挟んですぐ隣にいて音が聞こえてしまう事がストレスになってしまう人、過敏な人もいるだろう。
今回はいい勉強にはなったと思うと同時に、人間らしく安心して暮らせる住まいのあり方というものを、もっと考える必要があるのではないかと感じている。住居にお金がかかりすぎることも含めて。
人類の為というと大袈裟だが、真面目にそう考えてしまう。
どんな人であっても安心して暮らせる住まいがもっと増えることを、心から願っている。
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